愛
運命がもし決められた人生を意味するなら、 信号や標識くらいおいてほしかった。
味のつけたものばかり食べてきたからだろう。 些細な、それでいて輝く幸せに、気づきにくくなってる。
夜。愛、愛、愛、愛、愛、 私を包む、暖かくて明るい光と それをいつ失うか分からない不安と心細さ。
父の靴を履いてみた。 思ったよりも丁度良くて、足だけ父になったような気がした。 母のセーターを着てみた。 肌触りの良いセーターだった。 セーターに触れている腕だけ、母になったような気がした。 あの人のカップで飲んでみた。 触れた唇だけあの人にな…
スーパーマーケットの地下、ウエディングドレスの穴 1曲目のないCDシングル、大きな文庫本、私を見つめていたあの人
彼女が出てって3日。金魚鉢の金魚が浮いた。