まばたきの隙に

数行に、そのままに、

瑠璃色の日々 《9・聞こうとしたのは》

九・《聞こうとしたのは》

 

 祖母の話になると終わらない。今も下で近所に人に自分も悪口を言われてるとも知らず、その近所の人に身内の悪口を言っているが一旦離れよう。 私は田舎で生まれて育ってきた。狭いコミュニティーで優しい近所の高齢者に見守られ、少ない友人とその保護者と田舎特融のルールの中で。そして気づけばあんなに元気に接してくれた近所の高齢者が知らぬ内に亡くなったり、話が通じない人になったりしていて悲しさと一種の怖さを感じ、自分はもう大人になったのだと知った。小学生の頃行っていた駄菓子屋をもうやっていない。家庭科の宿題で名前の意味を親に聞いたのだと、お会計のおばさんに話したのが思い出されるあの時と同じ土曜日の15時に、大人になった私は母に聞いた。