まばたきの隙に

数行に、そのままに、

瑠璃色の日々 《11・その後》

十一・《その後》

 

 私の知っているある家族の話し。美人なお母さんがいて。同じくセンスの良さそうなお父さんと面倒見の良いお兄ちゃん、そしてお兄ちゃんと10ほど年の離れた活発な弟。「(弟)最近甘えん坊ですね。」と微笑ましい様子を話していたら「実は今度もう一人生まれるんです。予定じゃなかったから私たちが一番びっくりしてるんだけど。」と幸せそうに笑う。そして十月十日。可愛い可愛い男の子が生まれた。もうすぐ2歳になるその子は、親でない私から見ても本当に愛しくて可愛くって仕方がない。「予定通り」のこの子のいない世界を想像すると、あまりにも物足りないというか、まさしくポッカリ穴が開いたような気持ちになる。そしてまた母とのあの会話を思い出すのだ。