まばたきの隙に

数行に、そのままに、

泡沫の幸と永久の過ち 《1・それは過去へ 2分の2》 

《一・それは過去へ 2分の2》

sideA

「君って本当に私のことが大好きだったでしょ?じゃなきゃあんなに毎日頑張れないよ。うん。やっぱりそう。普通の日なのにケーキのプレゼント、星を見に、チョット良いお酒。人込みは苦手なくせに休みの日には私の行きたいところへ連れてってくれた。君は特別な日にするのが上手だったね。私が喜ぶのを見て私より嬉しそうに笑うところが大好きだった。時々仕事で遅くなるときもちゃーんと電話くれたよね。あの日はメールだったけど。帰ってきたら頬にキスしたでしょう。知らないふりしてたのはこれからもずっとそうだって信じてたから。まめな男。私にだけじゃなかったみたいだけど。

初めて会った日を覚えてる?覚えてるよね。だって君だもん。結構「運命」って感じしたんだけどなぁ。あれはちょうどいつもの歩道橋をおりたところだった。