まばたきの隙に

数行に、そのままに、

泡沫の幸と永久の過ち 《11・どんな理由》 

 

《十一・どんな理由》

sideA

 あれから君がちょっとだけ変わった…気がした。例えば、帰宅が少し遅い。とか、「考え事してた」が少し増えた。とか。でも確たる証拠は無く、なにより週末は今までより甘く、優しく、私のために過ごしてくれていた。すべて繁忙期のせい。それで納得できたの。でもあの愛の日々は1度の過ちの罪滅ぼしだったの?彼女は私とのこれまでを振り切る程の良い女だったの?なにか理由があったと思いたい。理由が…。