まばたきの隙に

数行に、そのままに、

泡沫の幸と永久の過ち 《12・それだけの事》 

《十二・それだけの事》

sideB

 

「俺彼女いるけど…」「良いですよ。」たった二言だけ。少し歩いてホテルに着いた。だんだん思考が冴えてきて、彼女のシャワーの音の中、自分に自分で言い訳をしていた。ぐるぐる回る頭とはよそに、ガキっぽいと思ったがあいつが望んだ細身の指輪と、腕枕の時に痛いとあいつが言った腕時計をかばんにしまっていた。それを「まめなところも結構好きですよ。」なんて言われた。