まばたきの隙に

数行に、そのままに、

2020-01-01から1年間の記事一覧

泡沫の幸と永久の過ち 《5・あの日が始まり》 

《五・あの日が始まり》 sideA 私たちお互いの弟妹の話しをしたことがほとんどなかったよね。最初のごはんでちょっとしたっけ?まぁそんなありきたりな話題を出さないといけないほど退屈な日々じゃなかったからかな。君のおかげでね。本当に毎日楽しかった。…

泡沫の幸と永久の過ち 《4・忘れぬ日々》 

《四・忘れぬ日々》 sideB 俺と妹は年が2つ離れている。まぁ仲は良いよ。たまに漫画の感想言い合ったり。そのくらい。おとなしいけど友達も結構いたと思う、そんな高校1年のある時急に部屋から出てこなくなった。父は何か知っている様で、妹はそのまま高校…

泡沫の幸と永久の過ち 《3・この日を忘れない》 

《三・この日を忘れない》 sideA あの歩道橋はいつもの散歩コース。走りたそうなレオンにリードに引かれながらボーっと歩いてたら嫌な音がして、振り返ったらスマホが落ちてた。すぐ拾って「すみません」って手をのばすジョギングのお兄さんに渡そうとしたら…

泡沫の幸と永久の過ち 《2・それは今を 2分の2》 

《二・それは今を 2分の2》 sideB 俺はおまえのことなんか大嫌いだったよ。もともとどうしたって相容れないタイプだって思うだろ。俺は陰キャってほどじゃないけど目立つタイプじゃなかったし、おまえは目立つうるさいギャルだった。頭の悪そうなヤツだって…

泡沫の幸と永久の過ち 《2・それは今を 2分の1》 

《二・それは今を 2分の1》 sideB ―「サイアクな日々」だったよ。本当に。もう俺は何が何だか分からなかった。女に振り回される血が俺にも流れてるんだろうな。いや、俺が優柔不断なだけか。俺は途中で熱が収まっていくのを必死で知らないふりして薪をくべ…

泡沫の幸と永久の過ち 《1・それは過去へ 2分の2》 

《一・それは過去へ 2分の2》 sideA 「君って本当に私のことが大好きだったでしょ?じゃなきゃあんなに毎日頑張れないよ。うん。やっぱりそう。普通の日なのにケーキのプレゼント、星を見に、チョット良いお酒。人込みは苦手なくせに休みの日には私の行きた…

泡沫の幸と永久の過ち 《1・それは過去へ 2分の1》 

《一・それは過去へ 2分の1》 sideA ―「平凡な日々」と言うには君はあまりにまぶしくてサプライザーだったよね。きっともう君以上に私を理解し、君以上に私を愛することができる人はいないんだと思う。そして私もまた、君のことと同じくらいに理解し、君の…

私はだれでしょう 5/5

ヒント5 これが最後のヒントよ。 私は未来を知らないわ。 でも私は未来であなたと出会う。 私のいる美しいここを、きっと貴方も気に入るわ。 私は死。

私はだれでしょう 4/5

ヒント4 もう分かってきたかな。 でもわたしはね、謎ばかりよ。魅力的でしょう。 分かっても考えてね。 あなたの人生が豊かになるように。

私はだれでしょう 3/5

ヒント3 わたしは皆にいるの。 あなたのわたしはあなたを待つけれど、 愛しすぎて呼びに行くものもいるし、 見ていられなくて迎えにいくものもいるのよ。 でも私はずっと待ってるわ。

私はだれでしょう 2/5

ヒント2 わたしは美しいところで生まれました。 きっとあなたと同じ時に。 あなたにも早く見せたいなぁ。

私はだれでしょう 1/5

ヒント1 わたしはあなたをずっと待っています。 あなただけをずぅっと。 見守っています。 ご飯を食べているときも、ポストを覗いているときも、 手を繋いでいるときも、グラスを割ってしまったときも。 一緒に笑って、一緒に泣いて、一緒に驚いているんで…

瑠璃色の日々 《13・瑠璃色の日々》 完結

十三・《瑠璃色の日々》 ストレスという名の心地良くない経験ばかりがたまっているように感じられる日々だが、本当はそんなことはないのだろう。この間は金曜ロードショーを見て笑って、母とチューハイを飲んだ。うん、文字にすると更に充実して見えるものだ…

瑠璃色の日々 《12・そんな生活のなかで》

十二・《そんな生活のなかで》 本や映画、音楽、絵画(絵本でも歴史でもミステリーでも洋物でもpopsでも、なんでも)質の良し悪しで選ぶのが良いか悪いかは分からないが、なんでも見てみるのは良い事だと思う。すべての情報を鵜呑みにはできないが知識が増え…

瑠璃色の日々 《11・その後》

十一・《その後》 私の知っているある家族の話し。美人なお母さんがいて。同じくセンスの良さそうなお父さんと面倒見の良いお兄ちゃん、そしてお兄ちゃんと10ほど年の離れた活発な弟。「(弟)最近甘えん坊ですね。」と微笑ましい様子を話していたら「実は…

瑠璃色の日々 《10・母とのあの会話》

十・《母とのあの会話》 「晶穂(あきほ)の穂は秋に生まれたから。次女は春に生まれたから春に関係する漢字。でも三女は夏生まれじゃないけど夏に関係する漢字をいれたのはどうして?」なんて、昔から気づいてはいたけどそこまで気にとめていなかったことを…

瑠璃色の日々 《9・聞こうとしたのは》

九・《聞こうとしたのは》 祖母の話になると終わらない。今も下で近所に人に自分も悪口を言われてるとも知らず、その近所の人に身内の悪口を言っているが一旦離れよう。 私は田舎で生まれて育ってきた。狭いコミュニティーで優しい近所の高齢者に見守られ、…

瑠璃色の日々 《8・常》

八・《常》 父も母もそう楽に構えてほしい。長く重そうな過去を経て、旦那の入院や借金の返済に大切なものを投げ打ち、旦那不在の義実家で子どもを育ててきた苦労や恩を思うと、母には楽しく穏やかに日々を過ごしてほしい。でも自分にはその考えを上手く伝え…

瑠璃色の日々 《7・私の中》

七・《私の中》 何に影響されたのか、私は人生の全てを快、不快で分けた時に自分が不快と感じることは8割自分せいで、残りはどうしようもない理不尽だと思うようになった。そう考えたら私は楽になった。よく聞くが人を変えるより自分が変わる方が早い。仕事…

瑠璃色の日々 《6・私》

六・《私》 まあそれはいいとして、私は本や映画で感動して涙することもあるし、好きな物について友人と長々と語ることもあるし、その日の気分で調子が出ないこともある。自分を冷めている人間だとは思わないが祖母を怒鳴る父も、祖母をなんとかしようとする…

瑠璃色の日々 《5・憂鬱・2》

五・《憂鬱・2》 嫁いびりなんて言葉があるがそんな風ではないのだ。(それもあったかもしれない)些細なことでも何日も何か月も、何年も積み重なると許せなくなることから、とても人には言えないようなことまで。父も祖母を叱るが何の意味もない。怒鳴って…

瑠璃色の日々 《4・憂鬱》

四・《憂鬱》 きっとこれも「よくある問題」なのだろう。まず最初に書かなかったが家には祖母(父の母親)もいる。近所の人や祖母の兄弟からの話しや接し方を見ても昔からおかしな人だったことが分かる。母の母親とは真逆な人だから嫁に来たときは苦労しただ…

瑠璃色の日々 《3・祖母》

三・《祖母》 話しは変わるが私の生活は「これさえなければなぁ」というものがある。(誰にでもあるだろうが)それは怒鳴り声(一方的なものではないのだが)。昔もあったが、最近またすこーし増えたように感じる。隣の部屋から聞こえるその声に知らないふり…

瑠璃色の日々 《2・母》

二・《母》 母は複雑な家庭と複雑な進路で紆余曲折を経つつも良い会社に勤め、惜しみながらも結婚を機に退職。長女の私が生まれるときには旦那が生死の境を彷徨う大きな事故に遭い、一人でも育てていくと心に決めた。大きな病院の様々な治療で生き延び仕事に…

瑠璃色の日々 《1・家族》

瑠璃色の日々 一・《家族》 私は三姉妹の長女に生まれた。妹たちとは自分で言うのもおかしいが本当に仲がいい。二人とも家を出て、県外の大学の寮に入っているが、頭の良い二人のことだから少し寂しいけど心配はない。長期休みには帰ってくるし、なんなら私…

瑠璃色の日々

どうか、どうか、

明るいときは自分を奮い立たせ、その考えを振り払えるのに、 最悪の結末ばかり頭に浮かび、どうしようもなくひしゃげてしまう夜。

記憶の話

思ったよりは覚えていたと笑ったり 大切なことに限って忘れてしまうと悲しんだり 忘れたいことに限って忘れられないと嘆いたり 人はたくさん、ずっとは覚えていられない。 昔何かの本で読んだのか、授業で聞いたのか、私はもう覚えていない。 サンタクロース…

たたずむ

我儘