まばたきの隙に

数行に、そのままに、

泡沫の幸と永久の過ち 《14・加速した日々》 

《十四・加速した日々》

sideB

 

驚くと思う。俺はあの日帰ってきて罪悪感からなのかな。おまえの頬にキスをして気づいた。好きだと。嘘だ。分からないんだ。好きになるわけないのに。どれを演じていたんだ。最初は。今は。どれを。誰を。…もう分からなかった。でも確かなことは今更戻れないという事。乱れた心はもう時間がないように感じられた。もう少しで1年の記念日だと嬉しそうな様子を思い出す。その日だと決心した。その日まで。お前が俺を手放せないほど愛するように。そしてあの歩道橋をおりたところで終わりを告げよう。