まばたきの隙に

数行に、そのままに、

瑠璃色の日々 《6・私》

六・《私》 まあそれはいいとして、私は本や映画で感動して涙することもあるし、好きな物について友人と長々と語ることもあるし、その日の気分で調子が出ないこともある。自分を冷めている人間だとは思わないが祖母を怒鳴る父も、祖母をなんとかしようとする…

瑠璃色の日々 《5・憂鬱・2》

五・《憂鬱・2》 嫁いびりなんて言葉があるがそんな風ではないのだ。(それもあったかもしれない)些細なことでも何日も何か月も、何年も積み重なると許せなくなることから、とても人には言えないようなことまで。父も祖母を叱るが何の意味もない。怒鳴って…

瑠璃色の日々 《4・憂鬱》

四・《憂鬱》 きっとこれも「よくある問題」なのだろう。まず最初に書かなかったが家には祖母(父の母親)もいる。近所の人や祖母の兄弟からの話しや接し方を見ても昔からおかしな人だったことが分かる。母の母親とは真逆な人だから嫁に来たときは苦労しただ…

瑠璃色の日々 《3・祖母》

三・《祖母》 話しは変わるが私の生活は「これさえなければなぁ」というものがある。(誰にでもあるだろうが)それは怒鳴り声(一方的なものではないのだが)。昔もあったが、最近またすこーし増えたように感じる。隣の部屋から聞こえるその声に知らないふり…

瑠璃色の日々 《2・母》

二・《母》 母は複雑な家庭と複雑な進路で紆余曲折を経つつも良い会社に勤め、惜しみながらも結婚を機に退職。長女の私が生まれるときには旦那が生死の境を彷徨う大きな事故に遭い、一人でも育てていくと心に決めた。大きな病院の様々な治療で生き延び仕事に…

瑠璃色の日々 《1・家族》

瑠璃色の日々 一・《家族》 私は三姉妹の長女に生まれた。妹たちとは自分で言うのもおかしいが本当に仲がいい。二人とも家を出て、県外の大学の寮に入っているが、頭の良い二人のことだから少し寂しいけど心配はない。長期休みには帰ってくるし、なんなら私…

瑠璃色の日々

どうか、どうか、

明るいときは自分を奮い立たせ、その考えを振り払えるのに、 最悪の結末ばかり頭に浮かび、どうしようもなくひしゃげてしまう夜。

記憶の話

思ったよりは覚えていたと笑ったり 大切なことに限って忘れてしまうと悲しんだり 忘れたいことに限って忘れられないと嘆いたり 人はたくさん、ずっとは覚えていられない。 昔何かの本で読んだのか、授業で聞いたのか、私はもう覚えていない。 サンタクロース…

たたずむ

我儘

運命の人

運命がもし決められた人生を意味するなら、 信号や標識くらいおいてほしかった。

大切な人が元気でいてくれたら、それだけでいいのに

味のつけたものばかり食べてきたからだろう。 些細な、それでいて輝く幸せに、気づきにくくなってる。

桜も散った5月の半ばに

マスクをつけて歩いてた。 仕事が終わって薄暗くなった夕方と夜の間。 ぬるい風が髪を強く撫でるからマスクをはずす。 瞬間 心に風が沁みて、やっと覚めた。 それを肺いっぱいに吸いたくて、やっと春に気づいた。

夢を見れない

夜。愛、愛、愛、愛、愛、 私を包む、暖かくて明るい光と それをいつ失うか分からない不安と心細さ。

青い星

失敗を恐れる私たちは、初めてばかりだったあの頃に戻りたがる

いまとなっては

初めてなんてどうでもいいから 最後の話をしよう。

景色が変わる1日前

努力して成し遂げた時、景色が、世界が輝いて見えるらしい。 こんなにも頑張って頑張って涙が出ても、 この視界に映るものが変わらないのは、 まだ私の努力が足りないから。

狭い世界で身動きのとれない私

失ったものばかり数える私も、 手にしたものばかり数えるあの人も、 同じくらい嫌なやつだ。

広い世界のちっぽけで微かな私

ずっと地平線までつづく田園風景に安心と永遠を願うし、 華やかなネオンの街に憧れと刹那を願うよ。

ふと思いだす日

父の靴を履いてみた。 思ったよりも丁度良くて、足だけ父になったような気がした。 母のセーターを着てみた。 肌触りの良いセーターだった。 セーターに触れている腕だけ、母になったような気がした。 あの人のカップで飲んでみた。 触れた唇だけあの人にな…

止まらない

暗闇の中遠くなるガソリンスタンドの光 どこまでも走って行けそうな、ガソリン満タンのこの車が乗せて走るのは 空っぽで満たされない贅沢な私

私がもったいない

眠気を感じた頭で電気を消し、暗い中布団に入る。 でも、冷えた布団でほんの少しだけ眠気が覚めて なりたい、したい事を思い出し、可能なのに出来ていない自分に気づく。

本当だよ。

膝をついたのは靴紐を結ぶためだし、折れたのも角度を変えて見ようと思っただけ。それに今も倒れてるんじゃなくて明日のために眠るだけ。

同じ。なくなったんじゃない、最初からなかった。

スーパーマーケットの地下、ウエディングドレスの穴 1曲目のないCDシングル、大きな文庫本、私を見つめていたあの人

酸素

彼女が出てって3日。金魚鉢の金魚が浮いた。

信じたいから信じる。信じたくないから信じない。思うまま、にも理由がある。

ただ信じる。 良心に恥じない方法で調べたり、考えたりすることは大切だと思う。 でもどんなに考えたって、どんなに調べたって、 結局本当のところは分からないことがある。 そんな時、顔を見せない人や、責任の取れない人の情報を信じない。 それは、やっぱ…

これから

あの時も私は船だった。 立派な帆がついていた。 幸せな荷物を沢山積んでいた。 舵はまだなかった。 今は舵がついた船で、コンパスがないことに気づく。

知りたくない、まだわたしは

恋をしてどうしようもなく満たされた時や、悲しいことがあった時、心臓のあたりが苦しく感じる体や脳の仕組みを、私はまだ知りたくない

どっちが多かったのだろう

数えたことない不満を、数えきれない不満と言った