まばたきの隙に

数行に、そのままに、

泡沫の幸と永久の過ち 《5・あの日が始まり》 

《五・あの日が始まり》

sideA

 私たちお互いの弟妹の話しをしたことがほとんどなかったよね。最初のごはんでちょっとしたっけ?まぁそんなありきたりな話題を出さないといけないほど退屈な日々じゃなかったからかな。君のおかげでね。本当に毎日楽しかった。朝も昼も夜も。

 あの日の話しをしようか。君が初めて遅くなるのを電話じゃなくてメールでした日。初めてその日の内に帰ってこなかった日。忙しいんだろうなって、でも明日は休日だしゆっくり休んでもらおうって…でも24時を過ぎて少しだけ不安になったの。メールは23時にきたっきり。事故?まさか浮気…?そんなはずないよねって自分の考えに笑った。そしてそんな考えを忘れるために眠ったの。